5年後、10年後の髪に差がつく。40代からは『洗う』から『育てる』シャンプー選びへ

2025年07月30日 18:22
カテゴリ: ヘアケア方法


「最近、髪がパサついてまとまらない…」

「若い頃と比べて、うねりやクセが強くなった気がする」

「髪にハリやコシがなくなって、ヘアスタイルが決まらない…」

40代を過ぎて、ふと鏡を見たとき、ご自身の髪の変化に戸惑いを感じていませんか?

美容師として20年以上、多くのお客様の髪に触れ、その変化と悩みに向き合ってきた私。

サロンでは、お客様からこのような髪の悩みを毎日のように伺います。

そして、その原因を探っていくと、
多くの方が「自分に合っていないシャンプー」を使い続けているという事実にたどり着くのです。

「シャンプーなんて、どれも同じでしょう?」

「とりあえず、CMで見たものや香りが好きなものを選んでいる」

そう思われるかもしれません。

しかし、40代以降のデリケートな髪と頭皮にとって、シャンプー選びは未来の髪を育むための最も重要な土台作りと言っても過言ではありません。

実際に、私のお客様でも、シャンプーを自分に合ったものに変えただけで、

  「あんなに悩んでいた髪のパサつきが、しっとりまとまるようになった!」
 
「根元がふんわりして、トップにボリュームが戻ってきた!」
 
「頭皮のかゆみや乾燥が気にならなくなった!」
など、驚くほどの変化を実感される方が本当にたくさんいらっしゃいます。 

この記事では、20年以上の美容師経験で培った知識と経験を基に、40代以降の女性がシャンプー選びで失敗しないための「たった3つのポイント」*を、どこよりも分かりやすく、丁寧にお伝えします。

約5000文字と少し長いですが、読み終える頃には、あなたは「シャンプー迷子」から卒業し、自信を持って自分に最適な一本を選べるようになっているはずです。

未来の美しい髪のために、ぜひ最後までお付き合いください。

ポイント1:シャンプー選びは「理想の髪質」を決めることから


さて、いきなりですが、あなたがシャンプー売り場に行った時のことを思い出してみてください。

「ダメージケア」「エイジングケア」「うねりケア」「ボリュームアップ」…

たくさんのキャッチコピーが並び、どれも自分の悩みに当てはまるような気がして、結局どれを選べばいいか分からなくなってしまいませんか?

多くの方が陥りがちなのが、この「悩みにだけ」フォーカスしてしまう選び方です。

もちろん、悩みを解決することは大切ですが、その前に、もっと重要なステップがあります。

それは、「自分がどんな髪質になりたいのか?」という理想のゴールを明確にすることです。

これは、お洋服選びに似ています。

「とりあえず着る服が欲しい」と思って買い物に行くのと、「友人の結婚式に着ていく、上品で華やかなワンピースが欲しい」と思って行くのとでは、選ぶお店も、手に取る商品も、まったく変わってきますよね。

シャンプー選びも全く同じです。

まずは、あなたの「なりたい髪」を具体的にイメージしてみましょう。

 * 指通りなめらかで、毛先までしっとりまとまる「うるツヤ髪」

 * 根元からふんわり立ち上がり、若々しい印象の「ボリュームヘア」

 * うねりや広がりを抑え、ストンと落ち着いた「ストレートヘア」

 * 頭皮からすっきり、健やかで軽やかな「サラサラ髪」

いかがでしょうか?

「パサつきを何とかしたい」という悩みから一歩進んで、「パサつきを抑えて、毛先までしっとりまとまる“うるツヤ髪”になりたい」と考えるだけで、選ぶべきシャンプーの方向性がぐっと絞られてきます。

なぜなら、シャンプーにはそれぞれ「得意分野」があるからです。

保湿成分がリッチに配合されたシャンプーは「うるツヤ髪」を作るのが得意ですし、ハリ・コシを与える成分や、髪を軽く洗い上げる処方のシャンプーは「ボリュームヘア」を目指すのに適しています。

まずは、今のあなたの髪の悩み(現状)を把握し、そして、どんな髪になりたいか(ゴール)を定める。

この「現状とゴールのギャップ」を認識することが、シャンプー選びの羅針盤を手に入れるための、最も大切な第一歩なのです。

ポイント2:全ての鍵を握る「洗浄成分」を知る(高級アルコール系 vs アミノ酸系)


「なりたい髪」が決まったら、次はいよいよ具体的なシャンプーの選び方です。

ここで最も、いえ、絶対に知っておいてほしい最重要ポイントが、シャンプーの裏側に書かれている「成分表示」、特に「洗浄成分」です。

シャンプーの価格や品質は、この洗浄成分で9割決まると言っても過言ではありません。

そして、洗浄成分は大きく分けて2つのタイプに分類できます。

それが、「高級アルコール系」と「アミノ酸系」です。
「何だか難しそう…」と感じたあなた、ご安心ください。それぞれの特徴を、メリット・デメリットを交えながら、誰にでも分かるように解説しますね。

【タイプ1】高級アルコール系シャンプー(洗浄力:★★★★★)

ドラッグストアなどで市販されているシャンプーの多くが、このタイプです。

 * 主な成分名: ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸アンモニウム など

 * 特徴:
   * 洗浄力が非常に強い
   * 泡立ちがとても良い
   * 原料が安価なため、製品価格も安い
「高級」という名前がついていますが、品質が良いという意味ではありません。

これは化学的な分類名で、実際には「洗浄力が強く、さっぱりとした洗い上がり」が特徴です。

メリットは、何と言ってもその洗浄力と泡立ちの良さ。

皮脂分泌が活発な若い方や、普段からワックスなどのスタイリング剤をしっかり使う方にとっては、汚れをスッキリ落とせるという点で相性が良い場合もあります。

しかし、40代以降の女性には、この「強すぎる洗浄力」がデメリットになるケースが非常に多いのです。

年齢と共に、私たちの頭皮は皮脂の分泌量が減り、乾燥しやすくなります。

そんなデリケートな状態の頭皮に、洗浄力の強い高級アルコール系シャンプーを使うとどうなるでしょうか?

まるで、乾燥した肌を、食器用洗剤で洗うようなものです。

必要な潤いまで根こそぎ奪ってしまい、結果として、

 * 頭皮の乾燥が進み、フケやかゆみを引き起こす

 * 髪の水分が失われ、パサつきやゴワつきが悪化する

 * 潤いを失った頭皮が、逆に皮脂を過剰に分泌しようとしてベタつきの原因になる

 * カラーの色持ちが悪くなる

といった、様々なトラブルを招く引き金になりかねません。

あなたが今感じている髪の悩みの原因は、もしかしたら毎日使っているシャンプーの洗浄力が強すぎることにあるのかもしれないのです。

【タイプ2】アミノ酸系シャンプー(洗浄力:★★★☆☆)

美容室で使われるサロン専売品や、少し価格帯の上がるシャンプーに多いのが、このタイプです。

 * 主な成分名: ココイルグルタミン酸〜、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNa など(「ココイル〜」「ラウロイル〜」と付くことが多いです)

 * 特徴:
   * マイルドな洗浄力
   * 髪と頭皮の潤いを守りながら洗える
   * 髪や頭皮と同じアミノ酸(タンパク質)からできているため、低刺激
   * 原料が高価なため、製品価格も比較的高め

アミノ酸系シャンプーは、高級アルコール系とは対照的に、「優しく洗う」ことを得意としています。

洗浄力がマイルドなため、洗い上がりに「少し物足りない」と感じる方もいるかもしれません。

泡立ちも控えめな製品が多いです。

しかし、この「優しさ」こそが、40代以降の髪と頭皮が最も必要としているものなのです。


メリットは、なんと言ってもその保湿力と低刺激性です。

髪と頭皮に必要な潤いをきちんと残しながら、汚れだけを穏やかに洗い流してくれます。

そのため、

 * 洗い上がりがしっとりして、髪がまとまりやすくなる

 * 頭皮の乾燥を防ぎ、健やかな状態に保てる

 * 髪へのダメージを最小限に抑え、カラーやパーマが長持ちする

 * 使い続けることで、髪本来の潤いやツヤが蘇る

といった、嬉しい効果が期待できます。

まさに、パサつき、うねり、ハリ・コシ不足といったエイジングによる髪悩みに寄り添ってくれる洗浄成分だと言えるでしょう。

もちろん、洗浄力がマイルドな分、スタイリング剤を多めに使った日などは、お湯でしっかり予洗いしたり、二度洗いしたりといった工夫は必要です。

しかし、それを差し引いても、40代以降の髪と頭皮にとっては、アミノ酸系シャンプーを選ぶメリットの方がはるかに大きいと、私は断言します。

【実践編】シャンプー裏面の「成分表示」を見てみよう!


さあ、ここまで読んでくださったあなたは、もう大丈夫。

ぜひ、今お使いのシャンプーを手に取って、裏側の成分表示を見てみてください。

成分表示は、配合されている量が多い順に記載されています。

一番最初は「水」であることがほとんどです。

その「水」の次に書かれている成分が、そのシャンプーのメインとなる洗浄成分です。

そこに「ラウレス硫酸Na」と書かれていますか?
それとも「ココイルグルタミン酸TEA」と書かれていますか?

この違いを知るだけで、あなたのシャンプー選びの精度は劇的に向上します。

これからは、お店でシャンプーを選ぶとき、ぜひ裏面の成分表示をチェックする習慣をつけてみてください。

ポイント3:価格帯の意味を理解し、「髪への投資」と考える


最後のポイントは、多くの方が気になる「価格」についてです。

ドラッグストアでワンコインで買えるシャンプーもあれば、美容室では5,000円以上するシャンプーもあります。

この価格の違いは、一体どこから来るのでしょうか?

勘の良いあなたなら、もうお分かりかもしれませんね。

そうです、その価格差の最も大きな要因は、先ほどご説明した「洗浄成分」と、その他に配合されている「補修・保湿成分」の質と量にあります。

* 低価格帯のシャンプー(〜1,000円程度)

* 洗浄成分:安価な「高級アルコール系」が主成分。

* 補修成分:シリコン(ジメチコンなど)で髪の表面をコーティングし、一時的に手触りを良くするものが中心。髪の内部まで補修する効果は限定的。

* 中〜高価格帯のシャンプー(1,500円〜)

* 洗浄成分:原価の高い「アミノ酸系」や、さらにマイルドな「ベタイン系」などが主成分。

* 補修・保湿成分:髪の内部に浸透してダメージを補修する成分(PPT、ペリセアなど)や、高い保湿力を持つ成分(セラミド、ヒアルロン酸、リピジュア®など)が贅沢に配合されていることが多い。

もちろん、「高ければ何でも良い」というわけではありません。

しかし、「本当に髪に良い成分を、効果が期待できる濃度で配合しようとすると、どうしてもある程度の価格になる」というのは紛れもない事実です。

例えるなら、食費と同じかもしれません。

毎日手軽なファストフードで済ませることもできますが、健康な体を維持するためには、時には国産の新鮮な野菜や質の良いタンパク質といった、栄養価の高い食材にお金をかけることが必要ですよね。

髪も同じです。

40代からの髪は、これまで以上に栄養(補修・保湿成分)を必要としています。

毎日使うシャンプーは、いわば「髪と頭皮にとっての食事」です。

これまでシャンプー代をあまり意識してこなかったという方も、ぜひこれを機に、「未来の美しい髪を育むための投資」という視点で、シャンプーの価格帯を見直してみてはいかがでしょうか。

いきなり5,000円のシャンプーに挑戦するのは勇気がいるかもしれません。

まずは、2,000円〜3,000円前後の価格帯から探してみることをお勧めします。

この価格帯になると、質の良いアミノ酸系シャンプーの選択肢がぐっと広がり、その違いを実感しやすくなるはずです。

1本3,000円のシャンプーでも、2ヶ月使えるとすれば1日あたり約50円。

1日50円の投資で、未来の髪が美しく健やかになるのなら、それは決して高すぎる投資ではないと私は思います。

まとめ:さあ、あなたも今日から「シャンプー選びの達人」に


長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

最後に、今日の3つのポイントを振り返ってみましょう。

 ① 【ゴール設定】まずは「どんな髪になりたいか」理想の髪質をイメージする。
   (悩みにフォーカスするのではなく、ポジティブなゴールを設定する)

 ②【成分チェック】シャンプーの裏面を見て「洗浄成分」を確認する。
   (40代以降は、潤いを守りながら洗える「アミノ酸系」が断然おすすめ)

 ③【価格の意味】シャンプーは「未来の髪への投資」と考える。
   (1日50円からの投資で、質の良いシャンプーを選んでみる)

いかがでしたでしょうか?

この3つのポイントを押さえるだけで、あなたはもう、溢れる情報に惑わされる「シャンプー迷子」ではありません。

無数の選択肢の中から、自分の髪と真剣に向き合い、最適な一本を自信を持って選ぶことができるはずです。

シャンプー選びは、面倒な作業ではありません。

それは、10年後、20年後の自分の髪を、美しく、健やかに保つための、ワクワクするような自己投資です。

さあ、この記事を読み終えたら、まずはお風呂場に向かい、お手元のシャンプーの裏側を覗いてみてください。

そこに書かれている成分が、あなたの美髪への第一歩を教えてくれるはずです。

あなたの髪が、これからもっともっと輝くことを、心から応援しています。

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